「最後の授業」を読む。
カーネギーメロン大学教授ランディ・パウシュ氏の最後の授業を
文章化したものだ。
表紙には40代である氏の写真が載っている。
新進気鋭の教授。引退には程遠いように見える。
では転職か。
違う。
氏はすい臓がんが肝臓に転移し、余命三~六ヶ月を宣告されていた。
死を前にした文字どうり最後の授業だった。
最後の講義のタイトルは「子供のころからの夢を本当に実現するために」
親、兄弟、先生、生徒、同僚、たくさんの出会った人を紹介しながら、
子供のころからの夢をどうやって実現し、
また実現できなかったことで何を得たかを氏は語る。
だが、若くして死を宣告された悲壮感などかけらもなく、
平易な語り口で簡潔に、しかも強いメッセージをもって響く。
そして三十秒に一度以上、会場から笑い声が上がる。
聞いていて楽しく、80分の講義があっという間だ。
氏は人生を楽しむヒントを与えてくれる。
人生にたびたび起こる「壁」さえ、
どれほど自分がその向こうにある何かを真剣に欲しているか
証明する機会なのだと語る。
たぶん、この講義もそうだったのだ。
死という壁を前に、阻害される研究、家族との時間、愛を
どれほど大切に思っているかを氏は証明した。
7月末に亡くなったとニュースではあったが、
この講座は直接見た人、師の家族だけでなく、
世界中の人々に感銘を与えている。
死の壁を乗り越えた証だ。
何度も読み返したくなる本が、また一冊増えた。
もし、興味を持ったならば、youtubeで講義の動画が公開されている。
ぜひ、見て欲しい。

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