小学生の頃、秘密基地を作ったことは今でも良く覚えている。
友達と板切れや古びたカーペットを持ち出し、人目につかない場所を選んで作り上げた。
板と板の隙間は偵察窓になり、地面から染み入る湿気さえ心地いい。
特撮変身ものやアニメを見て育った世代だ。
合言葉とともにドアをくぐって、テレビのヒーローがやって来ることさえ夢見た。
不恰好でも、最高に楽しい秘密だった。
前田建設 ファンタジー営業部のサイトを見て、ふとあのときのドキドキが蘇った。
前田建設はダムやトンネル、発電所など土木、建築の分野で高い技術を持ち、
様々な実績を持つ建設会社だ。
その技術力で、空想上の建物を作ったらどうなるか?
「マジンガーZ」の光子力研究所、「銀河鉄道999」のメガロポリスステーション、
どちらもアニメならではの建物だが、水面が割れて下からリフトでロボットが上がってくる
といった無茶とも言えるクライアントからの要求を真摯に受け止め、
技術を尽くして現実的なプランを提案している。
まさにプロの仕事だ。
最近の案件「民間国際ロボット救助隊」ではそういった特殊ギミックはないけれども、
研究、実用段階のレスキューロボットを用い、世界各国にチャーター機で災害救助に
向かう民間救助隊を設立するにはどうしたらいいかを検討している。
現在のレスキューロボットの状況と実際のレスキュー隊が求めるもの、
基地の立地、災害発生時の移動方法、平常時にはどうするのか、
海外でも一目でわかる制服とは、など事細かに調査し、説得力あるプランを見せてくれる。
近年、各地で災害が頻発している。
地震、雷、竜巻、津波、台風のような天災でさえ
温暖化の影響によって天候の振れ幅が大きくなり、災害となってしまったように思える。
AlertMap
世界は平和でも、安全でもない。今このときも、救助を待っている人がいる。
これは世界規模で現在進行形の現実だ。
場所も知らない遠い国の出来事ではなく、日本で、自分にもいつ降りかかるかもしれない。
見過ごしていいことではない。
良質のファンタジーは空想だけで完結するただのおとぎ話ではなく、
現実の問題を浮き彫りにし、現実を変える力さえ持つ。
ファンタジー事業部の提案は架空とはいえ、
現代の知恵と技術で何ができるかを示しているように思える。
そう、できることはある。
可能なのだ、と。

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